学校教育情報誌『VIEW next』『VIEW next』TOPへ

  • 学校教育関係者全体向け

【連載】楽しい学び合い 第16回
「主体性って、どう評価すればいいの? これからの評価って、何が求められているの?」~part2~
合同会社楽しい学校コンサルタントSecond
ベネッセ教育イノベーションセンター客員研究員 前田健志

2022/12/23 09:30

皆さん、こんにちは!

今年も残りわずか……。

今年はどんな1年だったでしょうか?

皆さんご自身に、どんな変化・成長があったでしょうか?

僕の場合は間違いなく、この隔週連載の仕事や本の出版で、文章を書く力やスピードは上がったと思います(教員時代は本当に苦手で、月1の学年通信とか四苦八苦してました(笑))。

ところで、文章を書く力・スピードが上がったって、僕はどうやって判断(評価)したのでしょうか?

評価の話に、いきなり入りました(笑)。

あたり前ですが、変化・成長したかどうかを判断するには、過去がどんな状態であったかを把握する必要がありますね♬。

先ほどの僕の場合、過去に書いたもの(完成品)と現在書いているものを比べたり、下書きなどを見て、試行錯誤の過程やその時の感情を思い出したりして、「あ~、変化・成長したな~」って、実感しました(ちょっとうれしい💛)。

では……。

この評価って、誰のための評価ですか? 何のために評価するんですか?

 

前回、この問いを皆さんと共有しましたね♬。

この場合、「自分のために、自分の変化・成長に気づくための評価」ということになるでしょうか👍。

自分の変化って、劇的な変化でない限り、日々の日常生活では、なかなか気づきにくい……(大きく変化してから気づきませんか? うわっ、めっちゃ髪の毛伸びたとか(笑))。

しかも、人間は忘れやすいですから、過去の自分がどうだったかも、うろ覚えになってしまっている。

なので、過去の自分が書いたものや映像などの記録が、めちゃくちゃ大事になってくるんですよね♪。

それ以外に過去の自分に迫る方法ってないですかね?

そうです!(勝手に正解したと判断しています(笑))

“他者”がいます💛。

他者の方が、僕の些細な変化に気づいてくれますよね♪。

実は、前回の15回の原稿がアップされた時、つき合いの長い方から、「前田さん、文章力、上がったよね~」と言っていただきました(お世辞かもしれませんが(笑))。

 

僕の話ばかりしていてもダメなので、ここで皆さんに宿題として出していた「問い」を、一緒に考えていきましょう♡。

皆さんが今まで生きてきた中で、「これは成長につながったな~。自分のためになったな~」と思う評価って、どんな評価ですか?

子どもたちのための評価であれば、子どもたち自身が、その評価の価値や必要性を感じていないと、何のために評価しているのか分からなくなりますよね(笑)。

僕の子どもも、通知表をもらって帰ってきて、「この『3』って評価、なんなん? こんな数字、何の意味あるん? それより、文章で書いてくれた方が、なんぼかためにならん?」って、言っていました(笑)。

 

では、成長につながる評価にはどんなものがあるのか、少し考えていきたいと思います♪。

僕は3パターンあるのではないかと思っています……。

① 現状把握のための評価

「今、何ができる?/できない?」「今、自分にはどんな特徴・傾向がある?」

「今、自分はどんな状態?」……etc.

② プロセスの評価

「どのように変化・成長した?」「何が変わってない?」……etc.

③ 将来性(予測)の評価

「今後、どうなっていく?」「伸びしろは?」……etc.

 

皆さんが「自分のためになったな~」って評価は、この3パターンのどれかにあてはまるのではないでしょうか?

 

一般的に、「評価」というと、“①現状把握の評価”ばかりに目がいきますが、皆さんがためになったなと思う評価って、“➁プロセスの評価”や“③将来性(予測)の評価”も多いのではないでしょうか?

(プロ野球のドラフトなんて、まさに“③将来性の評価”が大事にされていますしね♬)

“①現状把握の評価”ばかりだと問題があることに世の中が気づいたからこそ、最近の入試や人事採用の形も、“➁プロセスの評価”や“③将来性の評価”を大事にしようと変化してきているのではないでしょうか?(特色入試なんてまさにそうですね💛)

 

では、①~③は、具体的にどのように行えばよいのでしょうか?

皆さんと1つずつ考えていきましょう♪。

まずは“①現状把握の評価”から👍。

そもそも、なぜ現状把握をする必要があるのでしょうか?

 

「今後に活かしていくため」ですよね(愚問ですね(笑))。

ということは、評価される本人自身が、現状把握の必要性を感じていたり、何を測っているのかを理解したりする必要がありますね!

僕も教員時代は、「定期テストって何のためにするの? 目的は何? 何を測っているの? 本当にそれを測れている? 今後、自分たちの学びに活かしていくためにも、もっとよい方法はない?」って「問い」を生徒に投げかけて、よく対話していました♬。

生徒たち自身も、「評価されること」があたり前になっていて、評価の本来の意義や価値に気づけていないことも多いのではないでしょうか?

そうした対話は、非常に価値があると思いますし、本人の成長につながる評価になっていくのではないでしょうか?

実際、生徒たちから、「授業でたくさん対話や議論を重ねてきているのに、なんで対話する力や議論する力を定期テストで測ってくれないのか? 絶対に伸びていると思うんだけど」と指摘されたので、現代社会の定期考査で、“リスニング問題”を導入したこともありました💛。

論点を整理することや合意形成をする方法など、実際に授業で学んできたことを、リスニング問題で測りました(生徒たちには大好評でした(笑))。

それは僕が思いついたわけではなく、生徒たちが提案してくれたものです♪。

子どもたちは、今後のために何を測ってほしいんでしょうか?

 

ぜひ、子どもたちにも聞いてみてください!

だって、子どもたち自身のための評価なんですから💛。

僕みたいに、素敵なアイデアをもらえるかもしれませんよ♪。

 

ルーブリックを生徒と先生が一緒になって創る学校も増えてきましたしね!

一緒に創ると、子どもたち自身の「自分たちのための評価だ」という意識も強まりますし、先生にとっても、「子どもたちは、こんなことを考えていたんだ」などと、いろんな気づきがあって、楽しいと思います💛。

子どもたちと先生たちがちゃんと対話して関係を築いている学校って、クレームやトラブルも少ないと思うんですよね~。

まさに「働き方改革」にもつながる♬。

 

しまった……。

まだ“➁プロセスの評価”と“③将来性の評価”について書いていないのに紙面が……☠。

すみません💦。

「評価」に関してたくさんリクエストをいただき、テンション上がって書きまくっていたらボリュームが……。次回も“評価”について、続きを書いていきたいと思います(笑)

(part3は本連載初ですね……)。

 

改めてリクエスト、ありがとうございました~💛。

連載回数も残り少なくなってきましたが、可能な限りリクエストに応えていきたいと思いますので、お待ちしております~♪。

https://secondtanoshiigakko.wixsite.com/mysite

Benesse High School Online|ベネッセハイスクールオンライン

ベネッセ教育総合研究所

Copyright ©Benesse Corporation. All rights reserved.